アレアde食育

コロナに打ち勝つ食生活!

新型コロナウイルスが蔓延するなか、身体の免疫力を上げたいと考えている方も多いでしょう。マスク・手洗い・うがいをこまめに行うことは言うまでもありませんが、やはり自分自身の免疫力を上げてウイルスに負けない身体をつくることも非常に大切です。そこで今回は、免疫力アップに役立つ食事のポイントをご紹介したいと思います。身体は習慣化した食生活が築くもので一朝一夕にはつくられないため今日食事を変えたからといって明日効果が出るものではありませんが、普段の食生活を振り返り、不足しているものや過剰になっているものがないかぜひこの機会に考えてみましょう。


Immune Strength

免疫力を上げる食事のポイント

さっそく、免疫力アップのための食事のポイントを見ていきましょう。また、免疫力を上げるには、適度な運動や入浴などで低体温を防ぐこと、日光によく当たること、十分な休息をとること、常に前向きな気持ちを持ち笑顔でいること(口角を上げるだけでもOK)も大切です。食事と併せて心掛けてみてください。

  • 1たんぱく質をしっかり摂取!

    良質なたんぱく質を十分に摂りましょう。たんぱく質は私たちが成長するため、元気に生きるために最も重要なものであり、免疫細胞もたんぱく質から作られます。良質(アミノ酸組成が良い)なたんぱく質の代表は、肉・魚・卵・乳・大豆および大豆製品です。肉の場合、脂肪が多すぎない部位をおすすめします。

  • 2ビタミンAやβ-カロテンで粘膜強化!

    粘膜強化に役立つビタミンAやβ-カロテンの摂取も心掛けましょう。鼻・のど・目などの粘膜は細菌やウイルスから身体を守る働きをするため、丈夫にしておくことで感染予防に役立つのです。ビタミンAはレバーや魚介類に多く、β-カロテンは緑黄色野菜 (人参・ホウレンソウ・カボチャ・トマトなど)から摂取できます。

  • 3食物繊維で腸を元気に!

    免疫細胞の約70%は腸で作られるため、腸を元気にすることは免疫力アップにつながります。腸内細菌を活発化させるために、そのエサとなる食物繊維をしっかり摂りましょう。野菜や海藻、きのこ、豆類、芋類などから摂取できます。

  • 1抗酸化作用を活用!

    身体は酸化が起こりやすく、それが病気の原因になることもあります。抗酸化作用を持つビタミンC・ビタミンEを積極的に摂り、酸化を防ぎましょう。ビタミンCはレモンや柑橘類に、ビタミンEは種実類や魚卵、ひまわり油などの植物油などに多く含まれます。また、ポリフェノールなどのフィトケミカル(野菜や果物が持つ色素成分等)も抗酸化作用が期待できます。

「痩せすぎ」にもご注意を!

免疫力のアップを心掛けるなら、体重にも気を付けましょう。体重の目安として、BMI【体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)】が参考になります。「22」を基準値とし、「18.5以上25未満=標準」「25以上=肥満」「18.5未満=やせ」とされています。免疫力を考える場合、「やせ」に該当する方やそれに近い値の方(目安として20未満)は注意が必要かもしれません。体が冷えやすく、免疫力が低い傾向にあるとされているのです。体温と免疫力は密接に関係しており、体温が1℃下がると免疫力が30%低下すると言われます(平熱は36度台後半が望ましいとされています)。

なぜ、やせ傾向の方が低体温になりやすいのかというと、一般的な傾向として食事全般の量が少ないためにエネルギーをはじめとしていろいろな栄養素の不足がみられ、それが低体温につながると考えられます。ダイエットしている方なども、栄養素の不足やアンバランスには十分に気を付けましょう。
もちろん、肥満も、腰痛や膝痛などの身体的故障が生じやすくなるなど良いことはありません。ご紹介した基準値を参考に、コントロールを心掛けましょう。

●一汁三菜を心掛けよう

毎日の食事では、ぜひ「一汁三菜」を心掛けましょう。一汁三菜とは、「ご飯」「汁物」「主菜」「副菜2品」を組み合わせた献立のことです。主菜には肉や魚をはじめとした「たんぱく質」が摂れる食品を、副菜2品には野菜や豆類、芋類、きのこ、海藻なと「ビタミン・ミネラル・食物繊維」が摂れる食品を使います。なお汁物には味噌汁やお澄ましなどがありますが、なるべく具だくさんにすると栄養的にも良いうえ美味しくなります。なぜ一汁三菜が良いかというと、栄養素のバランスが取りやすいからです。多種類の食品を組み合わせて食べることにより、1つの食品だけでは摂り切れない栄養素を補い合うことができます。今回ご紹介した免疫力を上げる食品も、そればかりを毎日食べていては、免疫力アップには良くても不足してしまう栄養素、摂り過ぎてしまう栄養素が出てきてアンバランスが生じ、病気につながるおそれもあります。一汁三菜を基本に偏らない食品選択を心掛けながら、その中で免疫力アップに良いと言われる発酵食品なども上手に取り入れてみてください。

●色の濃い野菜を摂ろう!

色の濃い野菜、つまり緑黄色野菜を積極的に摂ることもおすすめします。なぜなら、色の薄い野菜に比べて栄養素が豊富だからです。色の薄い野菜は、ビタミンCや多少の食物繊維は含まれていても、栄養素が豊富とは言えないことがほとんどです。どちらかといえば、味や食感を楽しめたり、飽きずに食べられたりする点が魅力といえます。一方、ほうれん草・小松菜・ブロッコリー・かぼちゃ・人参・トマトなどの緑黄色野菜には β-カロテン(体内で必要に応じてビタミンAの働きをする成分に転換)が豊富に含まれるほか、トマトのリコペンに優れた免疫賦活作用や抗酸化作用があることも昨今言われています。また、ほうれん草・ブロッコリーなどには、骨づくりに必要なビタミンKも含まれます。さらに、ほうれん草や小松菜は緑に見えますが、β-カロテンも豊富に含まれています!このように栄養素の豊富な緑黄色野菜を、ぜひ毎日の食卓に取り入れましょう。国でも、野菜の1日の推奨摂取量350g以上のうち、約1/3を緑黄色野菜にするよう勧めています。

アレアde食育 column 健康運動指導士からの美活レッスン

~適度な運動と、良質な睡眠を~
免疫力をアップさせる生活習慣

新型コロナウィルスにも負けない
元気な身体をつくるためには、
免疫力をアップさせることが欠かせません。
今回は、身体の免疫力を上げるために
役立つ生活習慣のポイントをご紹介します。
ぜひ毎日の習慣に取り入れて、
コロナにも夏バテにも負けない元気な身体で
夏を乗り切りましょう!

血流をよくする運動で低体温予防

身体の免疫力を上げるには、血流を良くして低体温を防ぐことが大切です。そのために有効なのが、下肢の筋肉を使った適度な運動を行うこと。たとえばウォーキングが挙げられます。ウォーキングは、脚の筋肉をたくさん使うことができる最も手軽な方法のひとつです。また、在宅時間が増えているなか、外に出ることによって視覚や嗅覚などの新鮮な刺激が脳に伝わり、脳の活性化・リフレッシュにもつながります。ウォーキングは、さまざまなメリットを持つとても優秀な運動なのです。
ただ、外出が憚られる時期なので無理はせず、密な時間と場所を避けて、できる範囲で行うようにしましょう。ウォーキングというかたちでなくても、下肢を使うことが大事なので、出勤途中の階段の昇り降りやスーパーの買い出しなどでも良いのです。自分の生活の中で無理のない工夫をし、下肢を使うことを心掛けてみましょう。

脳の興奮を鎮めて、よい睡眠を

免疫力を上げるためには、良質な睡眠をとることも重要です。しかし、リモートで仕事を行う機会も多いいま、身体は使わず脳ばかり使う生活が続いている…という方も多いでしょう。脳ばかりを一生懸命働かせてしまうと、脳の興奮状態が続くことによって夜眠りにつきづらくなる、ということが起こり得るので注意が必要です。しっかり睡眠をとって免疫力を上げるためには、脳にリフレッシュや休息を与え、興奮を鎮めてあげてください。身体を動かしてみたり、音楽を聴いてみたり、方法はいろいろです。脳を同じ作業から解放してあげる、まったく異なる使い方をしてあげる、というポイントを頭に置いて、気分がガラッと変わるようなことをしてみましょう。

運動不足のシグナルに耳を傾けて

免疫力を上げるには睡眠も大切であることをご紹介しましたが、良質な睡眠を妨げる原因のひとつに、運動不足が挙げられます。そのため、普段から運動不足にならないよう、気を付けたいものです。ちなみに、皆さんは自分が運動不足であるとき、それにきちんと気付けているでしょうか?身体が出す運動不足のサインを、きちんと感じ取れていますか?運動不足のはずだけれどあまり感じたことがない、意識したことがない、といった方も多いかもしれません。そんな方は、まず自分の運動不足のシグナルに耳を傾けてみる、ということも大切です。普段から、自分の身体の調子や些細な変化にも気を配りながら生活してみましょう。常に身体の声に耳を傾け、意識する習慣をつけることで、運動不足だけでなく体調不良などにも早めに気付け、良い対処ができるようになるかもしれません。ぜひ心掛けてみてくださいね。


協力 ● 花の集い・健康コンシェルジュの会

花の集い・健康コンシェルジュの会は、医学博士、保健学博士、薬剤師、医師、看護師、健康運動指導士、管理栄養士、フードコーディネーター、教育者など、人々の健康を指導してきたプロフェッショナルなプロジェクトです。未来の子供たちのためにも女性たちが健 康を考え、促進することが大切ということで発足されたチーム。ボランティア姿勢での企業とのコラボレーションなどで社会に健康と食育の大切さをアピールするコンセプトで、様々な企画を発信しています。セミナーやワークショップなどの会費や講師料は、現在復興協力として福島に桜の木を植樹し花を咲かす基金として活用しています。

保健学博士 山本 初子

日本女子大学大学院家政学研究科食物・栄養専攻修士課程修了。2000年博士・保健学取得。学習院女子短期大学をはじめとして多くの大学・短期大学・専門学校の非常勤講師を経て実践女子短期大学、桐生大学教授を歴任。管理栄養士。花の集い・健康コンシェルジュの会会員、IFF公認プラクテイショナー。

保健学博士 山本 初子
健康運動指導士 湊 真里

1957年 静岡県生まれ、1979年 東京女子体育大学卒業、1988年 健康運動指導士資格修得、2000年 フェルデンクライスメソッド国際ライセンス取得
大学卒業後より有酸素運動時の質の良い動きについて研究。身体調整体操として集大成させ、本体操を創始。現在、指導者の養成に力を入れている。また、保健センターなどで健康教育の講師多数。

健康運動指導士 湊 真里

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